アヘン戦争とSNSデトックス

少し前に『満州アヘンスクワッド』という漫画を読みました。1930年代の満州を舞台にした物語で、めっちゃ面白い作品です。

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あらすじはこんな感じ。

  • 主人公の勇が、農場の片隅でアヘンの原料であるケシが栽培されていることに気づく。
  • 母親がペストに感染し、治療のために大金が必要になる。
  • 勇は追い詰められた末にアヘンの密造を決意する。
  • 勇が精製したアヘンを売りに行った先で、中国の秘密結社のボスの娘である麗華と出会う。
  • 麗華は勇のアヘンに目をつけ、共に事業を展開することを提案する。
  • 2人は高純度の「真アヘン」を製造し、満州全土での販売を目指す。
  • 新しい拠点を次々に開拓し、事業を拡大していく。
  • 真アヘンの量産化に成功するが、事業の拡大とともに、彼らの人生もまたアヘンに翻弄されていく。

アヘンをビジネス的に使うストーリーと、アヘンを吸ってバグる人の描写が印象的で、読めば読むほど引き込まれました。

で、この『満州アヘンスクワッド』を読んでいてふと、「自分も何かに依存していないか?」という考えが頭をよぎりました。

思い返してみれば、暇さえあればSNSやニュースサイトを開いて情報を漁り、YouTubeのおすすめ動画を延々と見ている自分がいました。「アヘン」と「SNS」。まったく異なる存在のように思えますが、「依存する構造」は同じかもしれないと思いました。

そこから「たぶんこれよくない。SNSデトックスをしてみよう」と決めて、実際に2024年3月から11月までの8ヶ月間、SNSを断つ生活を送りました。

というわけで今回の記事では、アヘン戦争の背景と、僕がやってみたSNSデトックスの実録を交えながら、依存から解放されるためのヒントをお届けします。


アヘン戦争とSNSの共通点

アヘン戦争は、19世紀にイギリスが中国にアヘンを売りつけたことがきっかけで始まりました。アヘンは、摂取すると多幸感を得られる反面、強烈な依存を生み出します。イギリスはその性質を利用し、アヘンを売ることで巨額の利益を得ました。

アヘンは「体」を支配しますが、現代のSNSは「心」を支配します。

  • アヘン:摂取すると多幸感を得られる→やめられなくなる
  • SNS:通知、いいね、無限スクロール→やめられなくなる

SNSの「無限スクロール」機能は、まさに「次を見たい」という欲求を生み続ける仕組み。タイムラインをスクロールすれば、新しい情報が次々と表示され、やめ時がわからなくなります。

次の快楽を求めてアヘンを吸い続ける昔の人と、次の快楽を求めてスクロールし続ける現代人。ほとんど一緒。


気づき:自分も「中毒」だった

『満州アヘンスクワッド』を読んだ後、僕は「もしかして自分もSNSの中毒状態にあるのでは?」と思い始めました。

  • お店を調べていて検索でたどり着いたInstagramのショップページから、気づいたら次々にページを移動して1時間経っていた
  • ちょっとした待ち時間にYouTubeのおすすめ動画やショート動画を見始めて、止まらなくなる
  • 息子と遊びに行っているときも気づけばスマホを手に取っていた

この「無意識に手が伸びる感じ」がよくねーなと思いました。考える間もなく、気づいたら「依存行動」をとっている。これこそ、まさに『満州アヘンスクワッド』で描かれたアヘン中毒者の姿と同じだと思いました。


決断:SNSデトックスを始める

「このままの生活はマジであかん」と感じて、「半年間SNSを断つ」と決めました。とはいえ、いきなりすべてのSNSをやめるのは難しい。そこで、以下の方法を取りました。

  1. SNSアプリのアンインストール:
    SNSのアプリ(Instagram、Twitter、YouTube)はスマホから削除しました。ブラウザからアクセスしようと思えばできるのですが、わざわざ開くのが面倒なので、自然と見る頻度が減りました。
  2. 通知をすべてオフにする:
    「通知」は依存を生むトリガーだと気づきました。SNSの通知が来るたびに「なんだろう?」と気になり、ついスマホを開いてしまう。そこで日中はiPhoneの「集中モード」を使って、スマホの通知をすべてオフにしました。
  3. 代わりの行動を作る:
    空いた時間は散歩、筋トレ、AIの活用、ブログ執筆、楽曲制作をすることにしました。SNSを見たくなったら、スマホの代わりにこれらの行動をするように心がけました。結果的に、新しい習慣が身について、行動の幅が広がりました。

SNS断ちで得られたもの

半年以上にわたるデトックスで、僕が得たのは以下の3つです。QOLブチ上がり。

  • 心の静けさ
  • 時間の余裕
  • 行動の変化

結論:SNSとの付き合い方が変わった

デトックス後、SNSを完全にやめたかというと、そうではありません。ただし、以前のような「無意識の依存状態」には戻りたくありませんでした。

僕が今、SNSを使うときは「目的があるときだけ」です。情報を得るため、仕事の連絡のため、仕事の告知のためなど、明確な目的があるときだけアクセスします。最近は毎日のようにブログを書いて更新のお知らせをXにポストしていますが、ポストした後はすぐにログアウトするようにしています。これによって、ダラダラと使うことはなくなりました。


まとめ:デジタルアヘンから解放されるために

中学生の頃、タバコの害を教えるための教育映像を見せられたことがありました。映像の中ではサルがタバコを吸わされて、中毒になっていく様子が描かれていました。タバコを吸ったらバナナが出てくる仕掛けがあって、サルは最初バナナを出すためにタバコを吸っていたのに、次第にタバコばかり吸うようになって、タバコが吸えないとブチギレて箱を殴りまくったりしてマジでクレイジー。あの実験よく許されたなと思います。

その時は「可哀想だな」と思うだけだったのですが、今振り返ると、あのサルの姿が「SNSに支配されていた頃の自分」と重なります。

通知の刺激、無限スクロール、常に何かが気になる感覚。これらはサルがタバコを求めるような行動そのものでした。

2024年3月から11月まで、僕はSNSを断ってみました。その結果、散歩、筋トレ、ブログ執筆、楽曲制作といった、やりたかったけれど後回しにしていたことを始められました。今はSNSを使う際、「使わされるのではなく、使う」という感覚が持てるようになったと思います。

この記事を読んでくれているあなたはSNSを「使って」いますか? それとも「使われて」いますか? もし「うわ、後者だ!」と思うなら、まずは1日だけ通知をオフにしてみてはいかがでしょうか。きっと人生がちょびっといい感じになります。