映画『Into the Wild』観た。 "幸せは分かち合ったときにだけ現実になる"

観ました。

イントゥ・ザ・ワイルド [DVD]

あらすじ

1990年夏、大学を優秀な成績で卒業したクリストファー・マッカンドレスは、ハーバードのロースクールへの進学も決まり、将来を有望視された22歳の若者だった。ところがある日、周囲に何も告げることなく全てを捨て、彼は姿をくらました。これがクリスの“真実を探す”壮大な旅の始まりだった。最終目的地は、アラスカ。

Amazonより。

感想とか

「たくさんの物を持っていれば幸福」っていう資本主義的な価値観や社会システムのしがらみに疑問を抱いて、本当の自由とは? 人間としての本当の喜びとは? という内から湧き出る問いに対する答えを探し求めるための旅。本当の自分自身を取り戻すような冒険。

身分証全部捨てたり、持ってるお金全部燃やしたり、許可必要な川で許可無しでカヤックで川下りしたり、その川を下ってそのままメキシコに入国したり、農場のスプリンクラーをシャワー代わりにしたり、無賃で電車乗ってバレてボッコボコにシバかれたり。まさに"Freedom"です。

すでに設定されている常識やルールを片っ端から無視して行動する勢いというか、行き当たりばったりでも何とかなるっしょ感が最高。バックパッカーとかヒッピーの人ってこういう人多いよね。

ただこの作品は単なる放浪癖のあるふらふらした若者を描いた薄っぺらい映画じゃなくって、涙が出るほど美しい景色や、うっとりしてしまう人間の温かさを通して哲学的な何かを訴えかけてきます。

最終目的地は大自然の荒野、アラスカ。

その景色は主人公が形容する通り"Ultimate Freedom"そのものでした。

HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED

この映画観終わったら絶対この一文が心に残ると思うんです。それは

"HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED"(幸せは分かち合ったときにだけ現実になる)

という最後のシーンで出てくる、主人公のクリスがこの旅の最後で見つけた真理のような言葉。

僕がこの言葉を見て思い出したのは今年の夏に行ったミャンマー旅行でした。

この旅行で「一人旅ってあんまり楽しくないなー」っていうのが僕の中でモヤモヤっと残ってしまったのですが、その理由は「分かち合えない」ことにあったんだろうなーと、この言葉を見て確信しました。

美味しいものを食べたときに「美味しいねー」って言い合える人がいない、壮大な景色を見ても一緒に喜べる相手がいない。

逆もまたそうです。

不味い料理を食べても「なにこれまっず!!」ってキャッキャ言い合えたり、トラブルに巻き込まれて解決しても「何とかなるもんやな!!」って喜び合ったり。一人だとそういうことができない。

分かち合うのって大事。

きっと人生や日々の生活も同じなんでしょう。

一人で成功するより成功の喜びを分かち合える人がそばにいたほうがいいし、音楽作って自分だけで満足するよりもそれを聞いて「わーこれいいねー」って言ってくれる人がいたほうが嬉しいし、なんかよくわからない日記や文章をテキストエディタで書きなぐるよりもそのままブログにアップしてそれを見た誰かが何かを感じ取ってくれたら心が満たされる気持ちになります。

「ああ、分かち合うことって大事だよなあ」ということを、主人公が死を迎えるシーンを眺めながらぼんやりと思ったのでした。

示唆に富んだ、とてもいい映画でした。

こういう人におすすめ

  • 自由に憧れてる人
  • 今やってる仕事や学業に疑問を抱いている人
  • 自分を社畜と自虐する人
  • アウトドアが好きな人
  • バックパッカー
  • ヒッピー
  • ミニマリスト
  • 今の社会システムになんとなく疑問を感じている人
  • 自然が好きな人
  • なんか疲れてる人
  • 全力で現実逃避したい人

あとBGMが物静かで温かい感じで落ち着きます。北欧っぽい雰囲気。寒くなってきたこの季節、毛布にくるまって温かい紅茶でも飲みながら観ると没入できていいと思います。

ちなみにこの映画は実話を元にしたもので、原作の小説もあります。