世界を食べ尽くす映像作品『Eat the world(イート・ザ・ワールド)』が面白い

プライムビデオに面白い番組があります。有名シェフがおいしいものを求めて世界中を旅して、食べて、学んで、自分で作るというドキュメンタリー。



主人公はエメリルという愛嬌のある小太りのおっさん。旅には毎回エメリルのシェフ友達が同行する形で、現地のものを食べながら味付けや調理法や文化的背景について楽しそうに話し合う。



現地のものを食べたあとはそれを自分で作ってアレンジを加えるというのが恒例のパターン。小籠包を洋風に仕上げたり、魚料理のソースをレモンと味噌で作ったり、卵を使わずムースを作ってそれにトリュフの風味を加えたり、片栗粉を使わずにカリッと鶏肉を上げるためにまず1〜2分揚げて肉汁を閉じ込めてから冷凍して二度揚げしたり、という魔法みたいな調理法を次々に繰り出してくる。やってることが面白い上に映像の編集や音の使い方がかっこいいから観てて飽きない。


エピソード4は韓国に行く回。部屋で泥酔しながら観てたのですがなんかいいセリフが多くてメモをとりまくりました。

  • そんな時は深呼吸して頭じゃなく胃袋の声を聞けばいいんだ。
  • 彼女にとって料理はバランスが命です。熱い料理は冷たい料理と、甘いものは塩辛いものと。陰と陽の調和なのです。
  • 四川の唐辛子は辛いけどやみつきになる。一口食べるとエンドルフィンが出て脳が「もっと」と求める。

とか。あと「旨味」っていう言葉がそのまま英語で「Umami」って使われてて、へーってなったりしました。


うまそう。食いたい。

この番組、観ていると自分の料理に対する考えに影響を与えてくれます。僕は普段料理するときネットでざっと検索して好みに合いそうなレシピを再現しつつちょっとアレンジを加える、ということをやるのですが、それって回答例見ながら問題集を解いているようなもんだよなーとか、これからは何も見ずに自分の感覚を頼りに作ることをやっていきたいなーとか、そのほうが食材や調理法の知識が智恵として昇華される気がするなーとか、そういう学習アプローチって料理以外にも当てはまるよなーとか、そういうことを考えました。

観ただけで料理へのモチベーションが次のステージに進んだ気がします。というわけで今後は失敗を恐れず0→1でいろいろ作っていきたい。味付けミスってしょっぱくなってしまったら別料理で味の薄いものを作って一緒に食べて中和すればいいし、味薄かったら後から修正すればいいですからね。なんとでもなる。なんとでもなるのです。