彼女と新宿をぶらぶらしてたら普段なら絶対びびって入らないようなお店がありまして、その場の勢いで突入してみることにしたのです。
看板。マジで怪しい。絶対ぼったくられる気がする。
入り口を開けたところ。どうやら地下にあるらしい。階段なのか怪談なのかわからないぐらい怖くなってきました。
JAZZ BAR『PEPE』に突撃
恐る恐る店内に入ってみます。中にはマスターっぽい男性がひとり。「今って入れますか?」「あーはいはい。いらっしゃい。どうぞどうぞ」
中に入るとこんな感じ。レトロ。
「あれ。ジャズバーだと思ったんですが、音楽はかけないんですか?」
「ちょうど今来たとこで仕込み中だったのよー。いいやつかけるね」
そう言って古いJAZZをかけてくれました。レコードが擦れる音に続いて渋いピアノの音色、そして女性ボーカルの太く伸びのある声が店内に響きます。ぼくはこの時点で確信しました。このお店、大当たりだ!!
コースターが和風。
「何飲まれますか?」
「バーボンを」
普段絶対そんなもの頼まないのですが、せっかくこういうお店に来たのだからいつも通りのビールなんかじゃもったいない。男だからカッコつけたい。こういうお店に似合うものを飲みたい。
「飲み方は?」
「オンザロックで」
ハードボイルドオオオオォォォォォォォ!!!!!! どうですかこのポケットにサブマシンガンが1ダース入ってそうな男らしさ。「ロックで」って言えば済むのにわざわざ「オンザロック」って言う感じ! かっこよくないですか? バーボンとウイスキーの違いってなんですか?!
「はい、お待ちどうさま」
週末の夕方。小粋なジャズバーでバーボンのオンザロックで唇を湿らせる。そうだ。こういう男らしさが俺には足りなかったんだ。自分自信と対話しながらバーボンを一口飲んで思いました。
「これクラブでジャンケン負けたときに飲まされたやつや!」
ぼくにハードボイルドはまだ早かったみたいです。
で、マスターと談笑。29歳からお店をはじめたらしく、40年ぐらい? この場所でやってるらしいです。すごい。ちなみにマスターはものすごく物腰が柔らかくて、とても話しやすい、最高にいい人。関東のラッパーさんにしか伝わらない例えですが、蕨のスタジオのエンジニアの葉山さんみたいな全てを受け止める優しさを感じました。
お話しながら店内を見渡すといろいろ年季が入ったポスターがあったり椅子があったり。とても居心地がいいです。
しばらくしてマスターが切り出しました。
「はい、これ今日の付き出しです」
「え、おでん?!」
ウイスキーにおでん。これ以上のハードボイルドな組み合わせが考えられますでしょうか。侍がハーレー乗り回すようなファンキーさを感じます。しかしジャズバーで出されるおでんです。味にはあまり期待できないかもしれまなにこれめっちゃ美味い!!!
思わずフォントサイズを2回も最大にしてしまうぐらいの驚き。ジャズバーで出されたおでんが美味い。さらにバーボン(結局ロックで飲めなくてチェイサーもらって自分でこっそり水割りにした)に合う。このお店最高!!!
ちなみに店内は地下で圏外(ソフトバンク)なので、スマホを置いて会話に集中することができます。入店するまでの新宿の人混みが嘘のよう。駅からすぐの場所にこんなところがあるなんて今だに信じられない。
入店して一時間ぐらい滞在。二人で1杯ずつ飲んでおでん食べて計2000円。内訳は全くわかりませんが全然普通の値段ですね。ぼったくられなくてよかった!! (ちなみにぼくはスーパーチキン野郎なので入店した瞬間にフィリピン人のオバハンが横について20杯ぐらい勝手に飲まれて出るときに25万円ぐらい請求されたらどうしよう、というところまでイメトレ済みでした。杞憂に終わってよかった)
「絶対また来ます!!!」とマスターに告げてお店を後にしました。
新宿 JAZZ BAR『PEPE』
場所:新宿区新宿3-35-12 B1
備考:お店出た瞬間に「あ、そういえば新宿やった」ってなるぐらい喧騒から離れられるお店
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