今年も冬が始まった

今朝は外から聞こえる「ゴゴゴゴ……」という音で目が覚めました。家の前を通る9ナンバーのでっかい除雪車が動く音。ベッドから降りてカーテンを開けると、そこには真っ白な雪景色が広がっていました。

昔は冬が苦手でした。寒いし、布団から出たくないし、どう足掻いてもやる気が出ない。正直、冬は「めんどくさい季節」「引きこもりたい季節」「逃げ出したい季節」という位置付けでした。それが信濃町に移住してから、冬に対する気持ちが徐々に変わってきています。今では、大雪が降ると早起きして除雪をするのが当たり前になり、むしろ「朝からアクティブに動き出すきっかけ」になっています。

まだ日も昇らぬ薄暗い中、スノボのウェアに着替えて、ソレルのカリブーという耐寒マイナス25度の最強のスノーブーツを履いて、防寒テムレスのグローブをつけて、除雪機のエンジンをかけて、庭に積もった雪を片っ端から吹っ飛ばす。どれも信濃町に来るまで持っていなかったアイテムです。住む場所が変われば装備も変わる。

冬の朝のルーティーンの変化

冬になると、朝のルーティーンも少し変わります。大きな変化は、ビタミンDのサプリを飲むようになったこと。日照時間が短くなる冬は、どうしてもビタミンDが不足しがちなので、これを習慣にしています。10月ぐらいから飲むようにしていて、そのおかげか12月になっても自分の身体が気象の影響を受けにくくなった気します。プラシーボ効果かもしれません。わかりません。

あと最近はミロを飲んでいます。Xで「これ飲んでから冬でも無敵」みたいなポストがバズってて取り入れてみました。ミロにもビタミンDが入ってるらしく、ほんのり甘くて、どこか懐かしい味がします。冷たい牛乳にはちょっと溶けにくいけど、ダマの部分を残したまま飲んだらクッキーアンドクリームのアイスクリームみたいなザリザリ感があってこれはこれで良き。

子どもの成長が教えてくれた「雪の楽しさ」

この冬、息子が三語文(3つの言葉のつながり)を話すようになりました。その言葉の中でも印象的だったのが、近所の家の屋根から雪がドサッと落ちたときの言葉です。

「ゆき!いっぱい!おちるー!」

その一言で、家の中が一気に和やかな雰囲気になりました。息子には雪が「面白いもの」「冬になると当たり前にやってくるもの」として映っているんだろうなと思います。雪国ネイティブ。雪人(ゆきんちゅ)。

庭に積もった雪にも興味を持っていたので、誘い出して一緒に雪だるまを作ってみたらめちゃくちゃハマり、1時間以上にわたって雪だるまを雪だるま式に大きくさせ、ゾーンに入り、「お菓子食べる?」「ジョージ見る?」「ジュースあるで?」の誘いにも反応せず、造形の手を止めませんでした。

彫刻家の才能がある。

あとこの年齢のうちにしかできないから、という理由でスノーブーツを親子でおそろいにしました。ノースフェイスのヌプシのアイスダイっていう色。幻覚みたいな色使いで今のところ誰とも被らない。

今年の冬にやりたいこと

今年は、家族みんなで「冬を楽しもう」と思っています。息子をスノボデビューさせるのが大きな目標。

去年は夫婦でスノーボードに行ったのですが、リフトに乗って最初の一本目で奥さんが転倒し、手首(しかも利き手)を骨折するという大事件がありました。マリオカートで甲羅をぶつけられた時みたいな転び方をしていて、すぐに病院に行ってレントゲンを撮ってもらったら、素人目にもわかるぐらい綺麗にスパッと折れてて気円斬を喰らったフリーザが頭に浮かびましたが言葉には出さずに「あ、クレジットカード使えるんや便利やね」って言ってお会計を済ませました。

人間の体は、骨が折れるような大ダメージの直後は痛みに備えるために交感神経が強く作用してアドレナリンが大量分泌されるらしく、ちょっと変なテンションの奥さんと一緒にインド料理屋さんに行ってカレー(スプーンだったら片手でも食べられるよね、という文脈)を注文したところ、奥さんはなぜかライスではなくナンを注文し、インド人の店員さんが三角巾で腕を吊っている奥さんを見てナンを一口サイズにカットして提供してくれたことが記憶に残っています。僕は骨折していませんがスプーンでビリヤニを食べました。

そんなこんなで去年の冬は大変でしたが、大阪人なので「1日券買ったのにリフト1本しか滑ってないから全然元取れてない。クーリングオフさせてほしい」と、今では家族の笑い話になっています。

まとめ

そういえば移住1年目、2020年の年末は地域の人が「こんなに降るのは20年ぶり」と言うほどの大雪でした。連日連夜の除雪作業で、かいてもかいても雪は積もる。それでも、雪かきが終わった後の達成感と心地よい疲労感は、まるでマンツーマンのフルコートディフェンスでバスケの試合に勝利した後のような爽快感。そんな経験を繰り返しているうちに、「除雪もサクッとこなせるようになったな」と思えるまでになりました。あの大雪の経験が、自分を成長させてくれたように思います。今となってはなんであんなに冬を恐れていたのか思い出せないほど。除雪は楽しい。冬は楽しい。ちょっとやそっとの寒さや積雪では動じなくなりました。

そんな2024年の冬の始まり。今年の冬も楽しむぞ。